求人誌、求人サイトに掲載されている事務職の募集ですが、みなさんは事務職についてどのようなイメージをお持ちでしょうか。
- 事務職は簡単そう!
- 誰にでもできそう!
- 残業時間少ないからプライベートの時間をゆっくりとれそう!
本当にそうでしょうか。
今回は、実際に事務職に勤務している方に聞いた事務職の具体的な仕事内容と役割、生産性向上のために必要な取り組みについて、解説していきます。
目次
事務職といってもさまざま・・・
一言で事務職と言っても、さまざまな種類があります。
- 一般事務
- 営業事務
- 経理事務
- 総務事務
- 人事事務
- 医療事務
- 法務事務
など
基本的に、事務の仕事をする上で資格は必要ありません。
但し、なかには経理・医療・法務事務など、資格を持っている人の方が採用や給料面において優遇されることがあります。
事務職の求人を甘く見てはいけない
求人欄に記載されている「未経験者歓迎」の文字…
確かに、事務職は未経験者の方でもチャレンジしやすい職種です。
だからと言って「楽で簡単」というわけではありません。
仕事内容は、
- 書類の作成・処理
- 書類のファイリング・整理
- データ入力
- 請求書業務
- 給料計算
- 電話、来客応対
- その他、郵便物発送や備品管理
など、多岐にわたります。
他部署のメンバーや社外のメンバーとコミュニケーションも必要不可欠であり、時には全社員のまとめ役となり、さまざまな業務を同時進行しなければなりません。
よく「コミュニケーションが苦手だから事務職への転職を考えている」など耳にすることがありますが、決してそうではありません。
事務職の方が様々な部署のハブとなり、業務を取り次ぐ場面は数多くあります。
そこで、今回私が提案したいことが、事務職の方も『生産性向上を意識して働く』ということです。
事務職の「生産性向上」とは。
まず”生産性”とは、労働・設備・原材料などの投資に対して作り出される産出物の比率のことを指します。
そして”生産性向上”とは、保有する資源を最大限に有効活用し、より小さな投資でより大きな成果を生み出すことです。
一見、営業職や技術者の話?と思われるかもしれませんが、この生産性向上の話は事務職の方にも当てはまります。
会社のためだけでなく、ご自身のスキルアップのためにも”生産性向上”をぜひ強く意識してほしいと思います。
現在の仕事での成果や、転職後の活躍に大きく影響してきます。
”生産性向上”に必要最低限のパソコンスキル
前置きしますが、今から当たり前のようなことを真面目にお話しします。
”生産性向上”を目指す場合、まず最低限のパソコンスキルが必要です。
中でもタイピング速度を上げることは、生産性を向上させるのに即効性があります。
事務職は、他の職種と比べてもとにかくデータ入力が多い仕事です。
書類を見ながら入力したり、議事録を取ったり・・・
目線が手元とモニターを行ったり来たりしていては、時間がかかり、生産性が低下する一方です。
事務職の方においては、1日の8割方パソコン作業と言っても過言ではなく、「タイピングが遅い=仕事が遅い」に直結します。
「タイピング全く問題ありません、ブラインドタッチも簡単にできます」という方もそんなに多くないのではないでしょうか。
生産性向上を目指すうえで、まずはタイピング練習をおすすめします。
タイピング練習は、寿司打がおすすめです。
回転寿司のお皿が流れてしまう前に画面の文字を打ち込み、制限時間内にどれだけ食べることが出来るかを競います。
無料かつブラウザで遊べますので、ちょっとした空き時間の練習にどうぞ!
■寿司打
http://typingx0.net/sushida/
タイピング速度をアップさせること以外にも、さまざまなショートカットキーを覚えたり、毎日使う言葉を定型文登録したりと、システム化を図ることで生産性は向上しますのでぜひ活用してください。。
■ショートカットキー一覧[完全版]パソコン仕事が爆速になるWindows、Office、Googleのキー操作 286選
https://dekiru.net/article/18619/
「多少パソコン使えるからこのままでいいかな」と諦めず、ぜひここから挑戦してみてください。
簡単なことのようですが、目に見えて成果がわかる、即効性のある方法のひとつです。
忙しい時こそ手書きで。「バレットジャーナル」
みなさん、”バレットジャーナル”という言葉をご存じでしょうか。
事務職で仕事をするうえで特に意識して頂きたいことのひとつにバレットジャーナルがあります。
バレットジャーナルとは
”バレットジャーナル”とは、アメリカ人のデジタル製品デザイナー、ライダー・キャロル氏が考案した手帳術のことです。
ライダー氏には学習障害があり、集中力が続かないという悩みから、バレットジャーナルは生まれました。
バレットジャーナルを簡単に説明すると、中点(・)を使った箇条書きのことです。
英語で中点(・)を表すBulletを使って、予定などを箇条書きにすることで思考を整理し、タスク管理をして、計画的に行動できるようになるというものです。
<バレットジャーナルの基本の4項目>
- INDEX(インデックス)
すべてのページの目次にあたるもの - Future Log(フューチャーログ)
半年~1年分の大まかな予定が見渡せるもの - Monthly Log(マンスリーログ)
1ヶ月分の予定を書き込む月間カレンダー - Daily Log(デイリーログ)
1日の予定やタスクを書き込みもの
この中でも、事務職として業務を進めるうえで取り入れることをお勧めしたいのが、マンスリーログとデイリーログです。
デイリーログの活用
まずは【デイリーログ】です。
毎朝仕事に取り掛かる前に、手書きでその日のタスクを箇条書きします。
近年はデジタル化して便利な時代ですが、ここはあえて手書きにこだわります。
科学的に手書きの方が脳を刺激すると言われているからです。
タスクを箇条書きすることで、やるべきことの抜け・漏れがなくなり、ひとつの仕事に集中することができるようになります。
アメリカでベストセラーになった『シングルタスク』という書籍でも、ひとつのタスクに集中することで「生産性」を最大化させると科学的に証明されています。
こうして毎朝必ずタスクを書き出し、ひとつひとつクリアしてチェックを入れていくことで、業務にリズムが生まれ、生産性向上が見込まれます。
事務職は、特に電話対応や来客対応で取り組んでいる業務を中断されることがよくあります。
そのたびに「あれ?今何やっていた?どこまで進めた?」と迷うと効率が悪くなります。
いつでもデイリーログを見える場所に置き、それにそって業務をこなしていきましょう。
マンスリーログの活用
次に【マンスリーログ】です。
事務職は日々の業務把握はもちろんのこと、月単位でのタスク管理が重要です。
事務職には「締日業務」や「月次業務」など、1ヶ月毎に行う業務があります。
そこでデイリーログとは別にマンスリーログも書き出し、1ヶ月単位でタスク管理をしましょう。
その日一日のことだけでなく、1週間・1ヶ月後を見据えてテンポよく業務を進めることで生産性はより向上します。
立ち止まって整理整頓
最後に、忙しい時こそ一度手を止めて「整理整頓」することをおすすめします。
日々の業務に追われて気が付けばデスクの上には書類の山が・・・ということはよくあることです。
よく「部屋の乱れは心の乱れ」と言いますが、私は「デスクの上の乱れは思考の乱れ」だと思っています。
ごちゃごちゃしたデスクで仕事をしていても、効率が悪く考えもまとまらない。
さらにはイライラし、仕事でミスをするという悪循環が生まれます。
山となった書類を片付けるには時間がかかるでしょう。
でも、忙しい時こそ、あえてデスクを片付ける時間を作ってみてください。
ポイントは、片付けに”制限時間を設ける”ということです。
ゲーム感覚で取り掛かり、一気に片付けます。
制限時間内に終わらなくても、いったんそこで終わりにします。
その日の最後に時間が取れれば、また片付けをしても良いと思いますが、もし定時になってしまった場合は、次の日のタスクに「・片付け」を加えます。
こうして毎日片づける習慣をつけましょう。
また、そもそもちらからないような仕組み作りも大切です。
自分のデスクをコックピットのように作り上げることができれば、より生産性は向上していくことでしょう。
まとめ
いかがでしたか?
今回ご紹介した方法は、すぐにでも始められることばかりです。
向上心を持って取り組み、生産性を向上させることができれば給料交渉の材料にもなりえます。
ぜひ現状に満足せずチャレンジしてみてください。