【SECIモデル】知識変換のプロセスを分かりやすく解説

ナレッジマネジメント

わたしは以前【用語解説】ナレッジマネジメントとは?リモートワークでも、生産性向上に役立つという記事でナレッジマネジメントについて解説しました。

ナレッジマネジメントとは、個人が持つ知識や経験等を共有・有効活用して生産性を向上させ、業績を上げようとする企業経営の手法のことです。

その記事の最後に「暗黙知を形式知に変えるプロセスについては別の記事で解説します」とお約束していました。

ナレッジマネジメントで重要になるのが、まさにこの暗黙知を形式知に変えるプロセスであり、そのプロセスは「SECI(セキ)モデル」と呼ばれています。

今回はナレッジマネジメントの第2弾として、暗黙知を形式知に変えるプロセス「SECIモデル」について分かりやすく解説していきたいと思います。

SECIモデルとは何か

SECIモデルを解説する前に「暗黙知と形式知」を少し掘り下げます。

尚、ナレッジマネジメントについて詳しく知りたい方は、まずこちらの記事に目を通して下さい。

暗黙知と形式知

ナレッジマネジメントのナレッジには「暗黙知と形式知」の2種類があります。

【暗黙知】
個人の経験や勘に基づく言語化されていない知識のこと

個人が長年に渡り蓄積してきた経験やノウハウといったもの…いわゆる「勘」や「コツ」などのことを指します。

勘やコツを言葉や文章にするのは難しいですよね。

このように言葉や文章にできない、されていない、するのが難しい…そんな知識のことを暗黙知といいます。

【形式知】
言葉や文章、計算式、図表などで説明できる知識のこと

形式知は、暗黙知の逆…つまり言葉や文章にできる知識のことを指します。

言葉や文章で言い表すことができるということは、マニュアル化できるということです。

マニュアル化できるということは、知識を「共有」できるということですね。

暗黙知を形式知に変えることができれば、個人の持つ知識を組織に広く共有することに繋がります。

この暗黙知を形式知に変え「知識を共有化」することこそがナレッジマネジメントの基礎を成す考え方なのです。

ではどうやって暗黙知を形式知に変えていくのか…?

まさにその知識変換のプロセスが「SECIモデル」と言われるものになります。

SECIモデルとは

「SECIモデル」を改めて定義してみます

【SECIモデル】
個人の持つ暗黙知が、どのようにして形式知に変換され組織で共有されていくのか?そのプロセスを示したもの

SECIモデルは、ナレッジマネジメントの中心…コアなフレームワークと言っても良い部分です。

ではSECIモデルのSECIとは何でしょうか?

暗黙知から形式知に変換されるには「4つのプロセス」を順にたどる必要があります。

その4つのプロセスがこれです。

  1. Socialization:共同化
  2. Externalization:表出化
  3. Combination:連結化
  4. Internalization:内面化

SECIモデルとは、この4つのプロセスの頭文字を並べたものです。

個人が持つ知識や経験といった暗黙知は、このプロセスを経て形式知となり、組織に共有され有効活用されるようになります。

知識の変換にとって大切なこの「4つのプロセス」については、「4つの場」と共に次項でさらに詳しく見ていきます。

SECIモデル「4つのプロセス」と「4つの場」

ディスカッション

SECIモデルの「4つのプロセス」と、そのプロセスを行う「4つの場」を掘り下げていきます。

4つのプロセス

まずは「4つのプロセス」をひとつずつ詳しく見ていきます。

「4つのプロセス」の中で暗黙知は形式知に変換され、さらに暗黙知になっていく…このことを頭に置きながら読み進めてください。

1.Socialization:共同化

共同化とは同じ体験をすることで暗黙知をお互いが理解するプロセスです。

暗黙知は言葉にできない、文章化されていない知識や経験でしたよね。

暗黙知が暗黙知のまま他者に共有されていく…いわゆる「見て学ぶ」といった段階です。

2.Externalization:表出化

表出化は、暗黙知を形式知に変換するプロセス…いわゆる暗黙知の言語化です。

共同化で見て学んだ暗黙知を文章化したり図式化することで形式知に変えていくプロセスです。

言語化するということはマニュアル化するということ…つまり知識が共有化されていきます。

3.Combination:連結化

連結化は、表出化によって変換された形式知を組織に対応させていくプロセスです。

表出化で言語化した形式知は、そのままでは組織で機能することができません。

そのため形式知を別の形式知と組み合わせ、新たな形式知を創り出し体系的な知識へと変換する必要があります。

バラバラだった形式知が組み合わさり新しく体系的になることにより、さらなる価値創出が期待できるのです。

4.Internalization:内面化

内面化は、新たに生まれた体系的な形式知を個人が吸収し、個人の暗黙知へと変換していくプロセスです。

形式知を実践していく中で、また新たな知識やノウハウが生まれていきます。

それはまた個人の暗黙知になっていくのです。

新たに獲得した個人の暗黙知は最初のプロセスに戻り共同化から循環を繰り返すことになります。

以上、「4つのプロセス」について詳しく見てきました。

ここで重要なのは「共同化」「表出化」「連結化」「内面化」のプロセスは一巡して終わるのではなく、グルグル螺旋状に回り続けているということです。

回り続けることでナレッジは磨かれていき…そしてまた新たなナレッジが生まれていくのです。

4つの場

ここまで紹介してきた4つのプロセスを回していくには、各プロセスに対応した「場」も必要になります。

  1. 創発場=共同化プロセスの場
  2. 対話場=表出化プロセスの場
  3. システム場=連結化プロセスの場
  4. 実践場=内面化プロセスの場

ここでは、各プロセスに対応した「4つの場」を詳しく見ていきます。

1.創発場=共同化プロセスの場

創発場は、暗黙知を共有する「場」…知識の交換を行う場所を指します。

共同化は「見て学ぶ」でしたね。

先輩やベテランを見て学ぶ場…そう考えていいと思います。

ただし、仕事の現場ばかりとは限りません。

昼食やお茶会、雑談といった気軽なコミュニケーションの場も創発場となります。

2.対話場=表出化プロセスの場

対話場は、暗黙知を形式知に変える「場」です。

対話をすることで暗黙知を言語化し、他者が理解できるようにマニュアル化します。

経験やノウハウ、勘やコツを聞き取りまとめる場ですね。

ミーティングやプレゼンテーションと考えてもらえば良いと思います。

3.システム場=連結化プロセスの場

システム場は、複数の形式知を組み合わせて体系的な新しい形式知にしていく場です。

複数の形式知を持ち寄る場と考えて下さい。

持ち寄られた形式知を組み合わせて組織に対応させ、体系的な形式知としてまとめていきます。

4.実践場=内面化プロセスの場

実践場は、吸収した新しい知識を実践する場と考えて下さい。

仕事場ですね。

吸収した新しい知識は実践を通して個々人の新たな暗黙知となっていきます。

SECIモデルを活かす環境整備が必要

ナレッジマネジメントについては、様々なことが語られています。

そんな中で、わたしは「SECIモデルを活かす環境整備」についてお伝えしようと思います。

SECIモデルを活かす環境整備とは?

それは誰もが「ナレッジを吸収しようと積極的になる(なれる)、またナレッジの提供者になる(なれる)環境作り」が必要不可欠だということです。

SECIモデルはナレッジを共有化していくフレームワークです。

ただし、忘れてはならないことがあります

見てきた通り、ナレッジは共有して終わりではありません。

SECIモデルをグルグルと螺旋状に回して、常にナレッジをブラッシュアップしていく必要があります。

そのSECIモデルを回していくのは組織を構成する「個人」に他なりません。

個人、一人ひとりがナレッジを「積極的に吸収しよう」「進んで提供しよう」…そう思える環境でこそSECIモデルは効果的に機能していくのです。

ぜひそんな環境を整備していって下さい。

それには個人の「自律」が欠かせません。

そんな自律した個々人が繋がり同じベクトルを描いたとき、真に強い組織が生まれることでしょう。

そこにはSECIモデルがグルグルと回り続ける組織の姿があるはずです。

そこで磨かれたナレッジは進化し新たな創造を生み続ける…そしてより強い組織に進化していく…そんな好循環が生まれるのです。

SECIモデルの活かし方は方法論だけでなく、環境作りという本質的な議論を忘れてはならない…そう強く思っています。

まとめ

今回は、SECIモデルを解説してきました。

小難しい単語が多く、きっと読むのに疲れたと思います。

ナレッジマネジメントにおいて、大切なことはSECIモデルを回し続け、常にナレッジをブラッシュアップさせていくことです。

それには自律した個の繋がりが重要であり、そんな組織でこそSECIモデルは回り続けます。

SECIモデルを理解し回していくことは、ナレッジを組織に浸透させることと共に、個の自律や繋がり、そして組織の環境整備を意識し続けることでもあるのです。

この記事を読んだ今日から、いつもより一歩踏み出して、新たな学びにつながる行動を取ってみましょう。

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