今回は「リフレーミング」について解説します。
リフレーミングとは簡単に言うと「発言や出来事に対しての見方を変えてやること」をいいます。
物事は、見方を変えることで今までとは違った意味を持ち、捉え方や感じ方に変化をもたらします。
リフレーミングすることでネガティブなことをポジティブに変化させることもできるのです。
今回はそんな魔法のような効果を持つリフレーミングを詳しく解説していきます。
仕事や職場、そしてあなたの人生で役立てていって下さい。
目次
リフレーミングの考え方と方法
リフレーミングとは、どのような考え方なのでしょうか?
リフレーミングとは何か?…そしてリフレーミングの方法について例をあげながら解説していきます。
リフレーミングとは
リフレーミングを定義します。
【リフレーミング】
ある枠組み(フレーム)で捉えられている物事の枠組みを外して、違う枠組みで見ることを指す。
もう少し説明します。
リフレーミング(reframing)= re(再び、改めて)+ framing(枠組み、構成)という合成語です。
「改めて枠組みをする」とか「再び構成する」といった意味で使われています。
要は、考え方・捉え方・見方を変えるということです。
元々は、心理カウンセリングで使用されているテクニック(技法)です。
このテクニックは、事実や行動について新しい見方をする、視点を変えることを目的としています。
リフレーミングを説明する際に良く使われる例えがあります。
水が半分入ったコップを「半分からっぽ」から「半分いっぱい」と視点を変化させる…ある意味、発想の転換です。
リフレーミングは、単に思考だけでなく感情や行動、内面の変化、行き詰った問題解決への糸口を与えるものとして注目されています。
もちろん心理カウンセリングの世界だけでなく、自分自身に対して取り入れていくことが可能なのです。
リフレーミングの例
それでは、リフレーミングのやり方について例を挙げながら解説していきます。
前項で見た水が半分入ったコップ…リフレーミングでこんな見方ができます。
「水が半分しか入っていない」をリフレーミングすると「水が半分も入っている」となります。
他にも例をあげます。
- 「締め切りまで残り1日しかない」⇒「締め切りまでまだ1日も残っている」
- 「彼はやることがすぐに変わる」⇒「彼は本当に好奇心が旺盛だ」
- 「いつも行動が遅い」⇒「物事に慎重に対処する」
- 「あの子は無計画なんだ」⇒「あの子は臨機応変に対応できる」
- 「とにかく頑固な男」⇒「自分の考えをしっかり持っている男」
このように見方を変えれば捉え方や感じ方が変わってきます。
どうですか?
一見ネガティブなこともリフレーミングすることでポジティブな見方に変化しますよね。
あなたの周りにある物事を、じっくり見つめて下さい。
そして、リフレーミングしてみましょう。
やり方や方法について難しく考える必要はありません。
自分の外にある(他者の)ネガティブな部分、そして自分の中にあるネガティブな部分を思いつくままに紙やノートに書き出して下さい。
そして、書き出したものをじっくり見つめて例にならいリフレーミングして下さい。
型にはまらず自由に、そしてポジティブに発想します。
枠組みを外してみましょう!
見方や捉え方を変えてみましょう!
プラス思考でゆっくりでOKです。
どうでしょうか。あの人の違った部分、新しいあなたが見えてきませんか?
慣れない内は難しいかもしれませんが、急ぐ必要はありません。
リラックスしてリフレーミングに取り組んでみて下さい。
リフレーミングのメリットと使い方
リフレーミングにはどんな効果があるのでしょうか?
ここではリフレーミングの効果とメリットを3つの場面から解説します。
こういった場面でこそリフレーミングを使って下さい。
- 人間関係改善
- 自己肯定感アップ
- 不安の解消
ひとつずつ詳しく見ていきます。
人間関係改善
わたし達は、人と人とのつながりの中で生きています。
日常はもちろんですが、仕事でも多くの人達とつながりながら生きているのです。
そのような関係性の中で、どうしても「不一致」が出てきてしまいます。
「不一致」は放っておくと人間関係の問題へと発展していきます。
こんな時、リフレーミングが役に立ちます。
例えば、生活や仕事の中でよくある「色々と口うるさい!」という感情…
これをリフレーミングすると「いつも私のことを心配して気遣ってくれる」となります。
どうでしょうか。全く反対の感情になります。
このように自分の中に、人間関係への違和感や不一致を感じたときリフレーミングを使ってみて下さい。
人間関係が問題へと発展するのを防いでくれるはずです。
人間関係の問題については以下の記事も参考にして下さい。
自己肯定感アップ
自己肯定感とは、「自分の価値や在り方を肯定的に受け止める感情」です。
自己肯定感は、物事に対する自分自身の受け止め方で、高くなったり低くなったりします。
失敗やミスが続いたり、トラブルに巻き込まれたりすると自己肯定感が低下します。
失敗が続いたら「いつも失敗ばかりしている」「自分はダメな人間だ…」なんて、誰だって思ってしまいますよね。
こんなときこそ、リフレーミングです。
「失敗から多くのことを学び自分に足りないものが分かった」「これから頑張ってスキルを磨こう」
こう考えてみるのです。
気持ちが前向きになりませんか?
考え方次第で自己肯定感を高めるきっかけにもできるのです。
これもリフレーミングの効果です。
不安の解消
人は色んな不安と隣り合わせで生活しています。
さまざまな出来事や経験、自分の性格等が災いして不安になったりするものです。
「この前はひどい目にあった…」
これを
「これもいい経験、次に活かせる」
とリフレーミングします。
「自分は人に合わせてばかりで流されやすい」も「協調性があって素直、仲間を大切にできる」と捉え直したらどうでしょう?
不安を前向きなエネルギーとして受け止めることができるのではないかと思います。
リフレーミングの大きな力ですね。
リフレーミングの練習
リフレーミングの練習は、色んな場面で行うことができます。
ただ、一番練習効果が高いのは「職場」での実践です。
注意点と合わせて解説します。
職場で実践練習
職場は、リフレーミングを練習するケースの宝庫です。
仕事をしていると様々なことが起こります。
ネガティブな感情やマイナス思考になりそうだ…と思ったら、ぜひリフレーミングを行って下さい!!
どんなケースでも、大切なことは「自分を冷静に振り返ること」です。
振り返りで見えてきたネガティブな感情を、紙やノートに書き出してリフレーミングをして下さい。
時間がかかっても構いません…自分のペースでリフレーミングを行って下さい。
「なぜいつも私にだけ仕事を頼むの?」だって「私は信頼されている、だから仕事を任せてくれる」とリフレーミングできます。
自分にとってマイナスな出来事も「いいリフレーミングの練習ケースだ」とリフレーミングして練習する…
そんな気持ちの在り方が習慣化にもつながっていくのです。
リフレーミングの注意点
リフレーミングをするには、注意点があります。
リフレーミングして自分だけがポジティブになっても仕方ありません。
大切なことは、相手の立場に立って考えること、そして周りへの共感です。
これが伴わないリフレーミングは単なる「ひとりよがり」でしかありません。
リフレーミングすることで周りとの関係性が深まり、自分自身にとってより成長できる環境が生まれていくことこそが、リフレーミングの効果です。
このことを忘れないで下さい。
まとめ
今回はリフレーミングについて解説してきました。
わたしは以前の記事「【職場の人間関係に疲れた】転職したいと思ったときにやるべきこと」でもリフレーミングについて触れています。
リフレーミングは、それだけで一冊の本ができるほど奥が深いものです。
今回は、その入り口について専門用語を使わずに分かりやすく解説しました。
「上手なリフレーミングは自由をもたらす」と言われています。
生活の中で、そして職場でリフレーミングを活用することで、ポジティブかつ前向きな気持ちを手に入れていきましょう。