2021年8月時点、まだまだコロナ禍が続きそうな気配です。
コロナ禍はわたしたち個人だけでなく、組織にも色んな影響を与えています。
そのひとつが、組織作りとして大切な「チームビルディング」への影響です。
今回は、コロナ禍において効果的なチームビルディングとはどういったものなのか?
そこを紹介していきたいと思います。
目次
チームビルディングとは何か
まずはチームビルディングとは何か、そしてチームビルディングの必要性を解説します。
チームビルディングとは
チームビルディングとはどういうものなのか?
チームビルディングとは、チームの目標達成に向けてチーム内のメンバーひとりひとりが主体的・能動的に能力を発揮していくための取り組みのことです。
その目的とは?
- チームパフォーマンスの向上
- チームメンバーの関係性強化
- 目的意識の醸成
ここに向けてチームビルディングに取り組んでいくわけです。
ただ、ここで言うチームには大切な条件があります。
それは
- 目標や目的を共有している
- 目標や目的の達成方法や状況を共有している
- メンバー全員が主体的・能動的に役割を果たし協力し合っている
こういった条件を満たしつつ各メンバーが持つスキルや能力、経験や知識、加えて個性を発揮しながら活動している状態のことをチームと言います。
単なる友達や仲間の集まりとか、同僚や同期の集まりとは違うと覚えておいて下さい。
そしてチームには、チームがチームとして発達していく段階があるんです。
その発達段階は、心理学者のタックマンが提唱したため「タックマンモデル」と呼ばれています。
チームは最初からチームとして機能しているわけではなく、5つの段階を経て発達しチームとして機能するようになる…と説いています。
- 形成期:チームを結成、お互いのことを知り合う時期
- 混乱期:メンバーの主張が衝突する、相互理解を深める時期
- 統一期:メンバーの関係性が安定、個性を発揮し役割分担も明確になる時期
- 機能期:チームとしての成果が表れる、自律した行動をともなう時期
- 散会期:チーム活動終了
これがタックマンモデルです。
タックマンモデルは、チームが次の段階に移行するにはどんなチームビルディングが必要なのかを明確に示してくれたのです。
チームビルディングの必要性
ではなぜチームビルディングが必要なのでしょうか?
VUCAやTUNAなんて言葉…聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。
情報化が進み、目まぐるしく変化する現代社会においては、その変化に対して迅速かつ柔軟に対応していく必要があります。
そのためには、組織内のメンバー全員が自律し主体的・能動的に行動し、変化に対し柔軟に対処しつつ、メンバー同士が協力し合い共に成長し目標を達成していく…
これが”複雑化し変化の激しい時代の組織=チーム”には求められているのです。
これこそが、チームビルディングが必要な理由なのです。
そして今、世界中がコロナ禍の真っただ中にあり、チーム・組織は、今まで以上に変化を求められています。
そのため、コロナ禍における効果的なチームビルディングが重要視されているのです。
コロナ禍が組織にもたらしたもの
まだまだ終わりが見えないコロナ禍…
コロナ禍は、組織にどんな変化をもたらしたのか?
やはり一番大きいことは、組織を構成するメンバーが集まれなくなったことでしょう。
出社しなくていい…
学校にいけない…
仲間同士で集まれない…
そんなことを強制された経験は、誰にもないわけです。
コロナ禍を冷静に俯瞰できるようになるまで「右往左往」するばかりでしたよね。
人が集まれない=組織が組織としての形を成さないのなら、組織で行われていた色んなことができなくなります。
そしてその影響は今も続いています。
オンライン化が進みテレワークが広がったのは良しとしても、その影響はとても大きいものです。
この集まれない…集まらない…というコロナ対策が生んだ最も大きな副作用が「コミュニケーションの喪失」です。
この影響の大きさは皆も感じるところではないでしょうか。
これまで当たり前に出来ていたことが出来なくなったのです。
当然、人が集まれず、組織(チーム)が形を成さなくなったため、これまで行われてきたチームビルディングにも大きな影響を与えています。
コロナ禍におけるチームビルディングとは
コロナ禍にあってどうチームビルディングに取り組んでいけばいいのでしょうか?
ここでは、コロナ禍におけるチームビルディングの取り組みについて解説したいと思います。
コロナ禍のチームビルディング
タックマンが示した発達段階を経てチームとして機能するためには次のようなことが必要とされています。
- ワークショップ
- グループディスカッション
要はチームとして機能するために、共通目標に向けて「体験すること」「議論すること」を通し成長していこうというものです。
でもこれって「集まれない」コロナ禍では難しいのでは?
いいえ…決してそうではありません。
やり方が変わっただけ…そう「オンライン化」です。
ワークショップやグループディスカッションをオンラインで行うことでも問題ありません。
どうやっていくかは各チーム次第、これまでのやり方をオンラインに対応させ、より効率的な方法を模索してください。
このオンライン化への対応をチームでやっていくも立派なチームビルディングです!…効果抜群です。
ただし、コロナ禍でのチームビルディングとして2つポイントがあります。
- 雑談、無駄話の有効活用
- リーダーはファシリテーターを目指す
順にみていきましょう。
雑談・無駄話の有効活用
ひとつ目のポイントは「雑談・無駄話の有効活用」です。
コロナ禍で毎日のように聞く不要不急という言葉ですが、この不要不急…色んなところに大きな影響を与えています。
では、雑談や無駄話は不要不急でしょうか。
結論から言うと違います!
不急は不急でしょう…でも決して不要ではないのです。
わたしはコロナ対策最大の副作用が「コミュニケーションの喪失」と言いました。
そして雑談・無駄話こそがコミュニケーションの潤滑油だったのです。
集まれないことで「立ち話」「ランチ会」「お茶会」などなど…無くなっちゃいましたよね。
これって不要でしょうか?
不急かもしれないけど決して不要ではない。
雑談や無駄話…そこには気づきや驚き、賛同や反対、学びや発想のヒント…そんな刺激が溢れている…人と人との繋がりの本質が隠れていたのです。
無駄と思われている中にこそ実は本質があるものです。
ぜひオンラインで雑談や無駄話ができる環境を整えることを忘れないで下さい。
雑談については以前も記事にしていますので、こちらからどうぞ。
リーダーはファシリテーターを目指す
もうひとつのポイントが「リーダーはファシリテーターを目指す」ということです。
これは別にオンライン化に限ったポイントではありません。
チームビルディングという取り組みにおいてリーダーは必要不可欠です。
最初はバラバラな「個」を、チームとしてまとめ機能させていくのにリーダーが必要なのは言うまでもありません。
集まれないからこそ、よりリーダーの役割が重要なのです。
そして、わたしからの提案は、リーダーはファシリテーターを目指すということです。
ファシリテーターとは、組織内でメンバー同士の相互理解を促し合意を形成し、問題解決を進めていく役割の人を言います。
しかも、ファシリテーターとメンバーはあくまでもフラットな関係性なのです。
このファシリテーターの役割は、チームビルディングに限らず変化の激しい現代に必要なリーダー像ではないでしょうか。
そこにあるのは、誰もが主体的かつ能動的であるということ。
わたしは「ファシリテーター=真のリーダー」だと思っています。
まとめ
いかがでしたでしょうか?
大切なことは、結局「人と人との繋がり」です。
コロナ禍にある日本から海外に目をやると、アメリカの名立たる企業がオフィスへの回帰を始めているようです。
要は「人と人との繋がり」をどうしていったらいいのか…暗中模索が続いているということでしょう。
今回はコロナ禍におけるチームビルディングについて解説してきました。
そこにあるのは最終的には「組織として大切な本質は何か?」…そこを考えること。
そんな結論に思いを馳せながら今回の記事を終わろうと思います。
新型コロナウイルス感染症についての最新情報は、厚生労働省のホームページをご覧ください。
新型コロナウイルス感染症について-厚生労働省