今回は、仕事していく上で大切な「人に頼る」ということについて取り上げます。
ある程度の年数と実績を重ね、職場での信頼が増すと仕事を任されるようになります。
仕事や部下が増えたのはいいものの、周囲に「頼る」ことができず一人で抱え込み、身動きが取れなくなっていませんか?
今回は、そんな人に向けた「人に頼る」ということがテーマです。
職場で人に頼るとはどういうことなのか?
なぜ人に頼ることができないのか?
そして人に頼るには、どのような考え方を持って仕事をしていけば良いのか?
じっくり解説したいと思います。
目次
職場で人に頼るということ
はじめに、職場で人に頼るということはどういう意味を持つのかを考えてみます。
視点は、4つです。
- 部下に頼る
- 上司に頼る
- 組織にとって
- 個人にとって
詳しく見ていきましょう。
部下に頼る
仕事において誰かに頼ることは生産性を上げることにつながります。
特に、自分の部下に頼ることは部下の成長を促すことも期待されます。
得意分野を持つ部下に仕事を頼ることは「人的リソースの最適化」とも言えます。
あなたのマネジメント能力が問われることでもあるのです。
「頼る」ことを「人的リソースの最適化」と考えることができるか?が大切なポイントとなります。
上司に頼る
仕事上で上司に頼る状況を考えてみましょう。
おそらく、あなたには手詰まり感があるのではないでしょうか?
こんな状況で上司に頼るのは、「相談する」そして「アドバイスをもらう」という形になります。
もちろん、状況次第では人的リソースの支援といったこともあり得るでしょう。
上司を頼ることで、お互いに信頼関係が醸成されていきます。
手詰まり感を感じたとき上司を頼るのは、信頼関係構築の上でも大切なことなのです。
組織にとって
『【タスク管理】苦手意識を克服し「仕事ができる人」になる考え方』でも示した通り、仕事は細分化されたタスクの集合体です。
細分化されたタスクに対して、社内の人的リソースを適材適所で最適化していく(人に頼る)ことはマネジメントの必須要件でもあります。
人に頼ることによって仕事がプラス方向に向かうとき、生産性は向上し社員同士の信頼関係も深まっていきます。
社員の一体感は増し、強い組織へと変化するでしょう。
仕事がタスクの集合体であるのなら、一人で完結することなどあり得ません。
個人個人が頼ることを意識し連携したとき、より強い組織ができあがっていくのです。
個人にとって
人に頼ることによる個人のメリットは計り知れません。
- 何と言ってもストレスから解放される。
- 時間的余裕も手に入る。
上手く頼ることは人間関係にもプラスに作用します。
頼ることは決してネガティブなことではないのです。
「頼らない」のか「頼れない」のか
前項で見たように、仕事で人に頼ることには大きな意味があります。
ではなぜ、頼ることができない人がいるのでしょうか?
誰かに頼ることができない人には、「頼らない人」と「頼れない人」がいます。
2つを深掘りすることによって、頼ることができない理由を明らかにしたいと思います。
頼らない人とは
この人達は、頼るということを考えない人達です。
3つのタイプがあります。
- 完全主義
- ストイック
- プライドが高い
詳しく解説します。
完全主義
全てに対して妥協を許さない人、このタイプは1~10まで自分一人でやらないと気が済まない人です。
仕事ができる人(そう思っている人)に多いタイプです。
良くスポーツで「名選手名監督にあらず」なんて言います。
名選手は往々にして天才肌で完全主義者…それ故、人に頼らず自分一人でやり遂げてしまうものです。
監督になっても周りに頼らないためコーチ陣をうまく使えない…だから結果を出すことができないのでしょう。
完全主義者がいると組織としては機能せず、大きな問題となります。
ストイック
自分に対して甘えを許さない人です。
人に頼ることは「甘え」と思い込んでいます。
当然、人には頼らない…自分の中でうまくいっている間は問題もないでしょう。
しかし、ひとたび歯車が狂うと仕事全体に問題が波及してしまう…そんな恐れがあります。
プライドが高い
自分の弱さを見せたくない、人に頼ることは情けないことだと思っている人です。
そんなプライドの高さが、人に頼ることを許しません。
プライドが高い人は人間関係でも問題を抱える人が多い。
組織の中では、やはり大きな問題となります。
頼れない人とは
この人達は、頼りたくても頼れない人達です。
頼れない人は、自分の中にストレスをため込みがちですので気を付けましょう。
やはり3つのタイプがあります。
- 人間関係を不安視する
- 責任感が強い
- 拒絶を恐れる
詳しく見ていきます。
人間関係を不安視する
必要以上に相手に対して気を使う方です。
頼りたくても「あの人も忙しいだろう…」「こんなとき頼ったら嫌われるのでは…」そんなことを考えてしまいます。
相手に対する気づかいが、人を頼れなくさせてしまうのです。
責任感が強い
責任感が強い人も人に頼れないタイプです。
仕事を自分一人で背負い込んでしまう、頼られたら「NO」と言えない…責任感の強さがそうさせてしまう。
そんな傾向を周りが知ってか、誰からも頼らてしまい仕事はどんどん増えていきます。
拒絶を恐れる
人を頼ったとき「もし断られたら…」「いい返事をもらえなかったら…」と考えてしまう。
そんな恐れから人に頼れなくさせてしまいます。
そう、拒絶されることへの恐怖感や抵抗感がとても強い方も人を頼れない方の特徴です。
「嫌な思いをするぐらいなら自分でやった方が楽」…そう考える傾向が強い人です。
職場で人に頼るコツと考え方5選
あなたは「頼らない人」「頼れない人」どっちでしたか?
どちらにせよ、仕事をやっていく上で人に頼ることが大切だということは理解していただけたと思います。
ではどうすれば上手く人に頼ることができるのか?
ここでは人に頼るコツとその考え方を解説します。
ポイントは5つです。
- 自分を知る
- 信頼関係が大前提
- 丸投げしない
- 過度の口出しはNG
- 適材適所で頼る
ひとつずつ見ていきます。
自分を知る
前項で見てきた通り、人に頼ることができないと言っても色んなタイプがあります。
あなたはどのタイプでしょうか?
これから前向きに変わろうとするとき、自分を知ることが必要です。
自分の現在地を分からず先に進むことなどできません。
まずは、自分を知る=自己分析から始めて下さい。
自分を知らないまま安易な方法論に走っても決して良い結果は生まれません。
自己分析にはコチラの記事を参考にして下さい。
信頼関係が大前提
人を頼るという行為は、お互いの間に「信頼関係」があってこそ成り立ちます。
信頼関係がないところに「頼る」「頼られる」という関係性が成立することなどあり得ません。
それほど信頼関係が大前提なのです。
信頼関係構築の基本は「対話」そして「相手を受け入れること」です。
人を頼るには信頼関係を意識する。
上手に頼ることで信頼関係はさらに深まっていくのです。
丸投げしない
人を頼ろうとするときは、必ず頼る理由を話して下さい。
丸投げはNGです。
「自分ができないこと」「相手の知識やスキル、経験を必用としていること」だから力を貸して欲しい…それを明確にします。
ただし仕事を任せたからといって、その仕事が自分のものでなくなるわけではありません。
どこまで任せてどうなったら終了なのかも明確にし、質問には気持ち良く答える…任せた仕事への当事者意識を失わないようにして下さい。
仕事は「協働」して行うものという意識を忘れないようにしましょう。
頼られた側が「丸投げ感」を持たないようにする重要なポイントです。
過度の口出しはNG
人を頼り仕事を任せたのなら過度の口出しはNGです。
丸投げしない…当事者意識を失わない…とはいえ、「マイクロマネジメント(過干渉)」になっては意味がありません。
任せることを基本にして、必要に応じて仕事に関わる…仕事を任せた部下の成長を見守るイメージです。
人を頼るときの大切なポイントです。
適材適所で頼る
【適材適所】 その人の能力・性質に良くあてはまる地位や任務を与えること (三省堂/新明解四字熟語辞典より引用)
仕事において人に頼る場合、能力適正に応じた仕事を依頼することとなります。
任せる仕事がその人にとっての苦手分野であるなら、嫌がられるばかりか生産性も高まりません。
誰かを頼り、仕事を任せるときは、適材適所を念頭に置いて下さい。
そのためには、適材適所の見極めが必須です。
仕事を任せる相手の得意分野で頼ることは、人をマネジメントする際の重要なポイントでもあります。
まとめ
仕事において人に頼ることには、大きな意味があることが分かりました。
- 部下の成長を促す
- 上司との信頼関係を深くする
- 組織における生産性や一体感の向上
- 個人のストレス軽減と時間的余裕の増加
このように「人に頼る」ということには重要な要素が含まれています。
今回は人に頼ることを深掘りしながら、頼るコツや考え方を解説してきました。
急ぐ必要はありませんので、ゆっくりじっくり職場で実践して下さい。
小さなことから頼る、そしてロールモデル(お手本)を見つける…これもコツのひとつです。
今回の記事を参考に、あなたに合った「上手な頼り方」を見つけていって下さい。