自己分析のツール「ジョブカード」、制度を活用し自分自身を理解する方法

自己分析

今回のテーマは、自己分析です。

今、時代は「過渡期」にあります。
※過渡期:移りかわりの途中の時期。物事の移りかわりの最中で、まだ安定していない時期。

コロナ禍はもちろん気候変動、カーボンニュートラルやSDGs、DX化などなど…新しい波が押し寄せてきています。

様々な分野でパラダイムシフトが起こる…そんな時期にあると考えています。
※パラダイムシフト:物事の大きな枠組みや考え方が変わること、従来の常識が通用しないような大きな変化のこと

こんな時に大切なことは、”自分自身を知ること”です。

なぜなら、自分自身を理解していないのは羅針盤のない船で航海に出ることと同じ…海図も読めず大海原でさまようことになってしまいます。

自分自身を理解することが自己分析です。

そんな自己分析を効果的におこなうツールとして、「ジョブカード」の活用がおすすめです。

今回はジョブカード制度を活用し、自分自身を理解する方法を解説していきます。

目次

そもそも自己分析とは?その目的と重要性

自己分析をする男性

自己分析とは文字通り自分を分析すること…自分自身を理解することです。

では何のために行うのか、その目的…そしてなぜ必要なのか、その重要性について解説したいと思います。

何のために自己分析をするのか?

あらためて自己分析を定義します。

【自己分析】
自分の経験や考え方を振り返り、長所や短所、能力や価値観、強み弱みを整理し言語化することで自分自身を理解すること。

そうです、自己分析は自分を振り返り整理することで自分自身を捉え直すことなのです。

では、何のために自己分析を行うのでしょうか?

その目的を列記します。

  • 自分自身を理解するため(自己理解)
  • 自分の長所や能力を証明するため(能力の証明)
  • これからの自分の方向性を明確にするため(キャリアプランの明確化)

このように自己分析は「これまでの自分」そして「これからの自分」を明確にするために行います。

自己分析は、就活や転職に活用できるのはもちろん、将来にわたる自分の姿を形づくっていくベースになってくれるのです。

まさに人生の羅針盤になり得るわけです。

なぜ今、自己分析が必要なのか?

なぜ今、自己分析が必要なのでしょうか?

先述のとおり、時代は過渡期にあります。

物事が新しい方向に移り変わっている…そんな時期を迎えています。

身近にある変化の一端をいくつか列記してみます。

  • 人生100年時代
  • デジタル化、DX化
  • テレワークの常態化
  • ジョブ型雇用、通年採用への移行
  • 新しい評価制度の導入
  • 同一労働同一賃金
  • 副業やパラレルワークの緩和
  • 黒字リストラの増加、早期退職の若年化

このような変化が起こっています。

これは「パラダイムシフト」と呼んでよいかと思います。

こんな時に重要になるのが「自分の軸」です。

変化に翻弄されないため、そして変化に対応し自分も変わっていく…しかも変化に対して主体的・能動的に対処していく必要があります。

それには、「自分の軸」=自分自身を知ることが必要不可欠です。

これこそが自己分析が必要であり重要な理由です。

では、どんな方法で自己分析をすると良いのか?

今回は、自己分析ツールである「ジョブカード制度」の有効活用について紹介していきます。

ジョブカードを知っていますか?

“ジョブカード”について聞いたことがありますでしょうか。

ここでは、ジョブカードの基本について解説していきます。

ジョブカードとは

まずは、ジョブカードの説明です。

【ジョブカード】
厚生労働省が定める書式(ジョブカード)に記入することで学歴や職歴、経験や経歴、資格や免許といった個人のキャリアをまとめることができるツールのこと

ジョブカードは、もともと正社員経験の少ない求職者の支援が目的で、キャリアプランニングや職業能力証明のツールとして活用できるようにできています。

ジョブカードは3つのシートで構成されています。

  • キャリアプランシート:キャリアプラン(職業生活設計)等を記入するシート
  • 職務経歴シート:職務経歴を記入するシート
  • 職業能力証明シート:免許や資格、学習や職業訓練等の実績を記入するシート

各シートに記入していくことで自分自身を振り返り、キャリアをまとめることができるのです。

と言うことは、自己分析のツールとして十分機能してくれるんですね。

もちろん、事業所によっては求人への応募書類としての利用が可能です。

誰もが活用できるジョブカード制度

ジョブカードは誰でも活用できるように制度化されています。

嬉しいのは、どんな立場の人(求職中、在職中、学生)にも対応しているということです。

厚生労働省は、ジョブカード制度を広く普及させるために「ジョブカード制度・総合サイト」を準備しています。

このサイトでは、ジョブカード各シートのダウンロードをはじめ、作成支援ツールを利用してジョブカードが作成できるようになっています。

Web上でのジョブカード記入~保存も可能です。

もちろん、ジョブカード制度の詳しい説明も網羅されています。

またリンクされている「キャリア形成サポートセンター」では、ジョブカードを活用したキャリアコンサルティングの支援も無料で用意されています。

このジョブカード制度、自己分析を行うだけでなく、本来の目的であるキャリア形成に向けて大いに活用していただきたいと思っています。

ジョブカード制度を活用し自己理解を深める

ここまでジョブカードを活用した自己分析について解説してきました。

自己分析で自分を振り返ることは、自己理解を深めることにつながります。

ここでは、ジョブカード制度を活用して自己理解をさらに深めることについて解説していきます。

ジョブカードに記入するメリット

わたしが、自己分析のツールとしてジョブカードをおすすめするのには理由があります。

その理由は「書き出す」という行為にあります。

ペンでもパソコンでも良いのですが、書き出して言語化することには大きなメリットがあります。

そのメリットは3つです。

  • 思考できる
  • 理解を深めることができる
  • 他者に見せることができる

この3つです。

書くためには考える必要があります。(=思考できる)

そして、書くことで思考が整理されて内容を深く理解できるようになります。(=理解を深めることができる)

また、書き出して言語化されたものは他者に見せて評価してもらうこともできるのです。(=他者に見せることができる)

ジョブカードは、この3つのメリットを全て備えているツールなのです。

ジョブカード作成に大切な「3つの問い」

ジョブカードを作成するには、大切なポイントがあります。

それは「3つの問い」を立てるということです。

「3つの問い」とは何か?

  • 自分は何が得意か?…得意だったか?(能力・できること)
  • 自分は何をやりたいのか?…やりたかったか?(興味・関心・好きなこと)
  • どのようなことをやっている自分なら意味や社会貢献を実感できるのか?…実感できたか?(価値観・自分らしさ)

この3つは「シャインの3つの問い」と言われるものです。

シャインとは、アメリカの心理学者であるエドガー・シャインのことを指します。

ジョブカード作成の際には、ぜひこの「3つの問い」を自分に問いかけながら進めて下さい。

これは、他の方法で自己分析を行う場合も効果的です。

自分が子供だった頃の古い記憶から現在までの記憶に対して、この「3つの問い」を立てるのです。

「3つの問い」を立てるメリットは何か?

  • 思考の範囲を広げることができる
  • 客観的に自分を振り返ることができる
  • 忘れていた記憶がよみがえる
  • 自分の価値観を思い出すことができる
  • 自分の気づかなかった(忘れていた)側面や志向性に気づくことができる

以上のようなメリットがあります。

そして、この「3つの問い」を念頭に置きながらジョブカードを見つめて下さい。

「自己分析の目的」で示した3項目が見えてくるはずです。

【自己分析の目的】
・自分自身を理解する(自己理解)
・自分の長所や能力を証明する(能力の証明)
・これからの自分の方向性を明確にする(キャリアプランの明確化)

その先には大きな気づきと、新しい自分の姿がハッキリと見て取れるはずです。

まとめ

今回は、自己分析とそのツールとしてジョブカードを解説してきました。

自己分析することは、自分を捉え直すことです。

そしてジョブカードは、それを可能にしてくれます。

しかも無料でWeb上で完結できる便利なツールです。

ただ残念ながら、今のところジョブカードの認知度は高くありません…

でもこれを活用しないなんて「もったいない!」

ぜひ自己分析のツールとしてジョブカード制度を活用し自己理解を深めていって下さい。

過去の記事で、キャリアの節目における考え方をまとめておりますので、ご活用ください。

キャリアの節目っていつ?節目に持つべき考え方とは?

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