今回は「パラダイムシフト」について解説します。
今、時代は過渡期にあります。
時代が大きく移り変わっている途中で、安定しない時期といって良いと思います。
これは、特定の分野に限ったことではありません。
わたし達が普段目にしている日常はもちろん、科学や医療、情報通信やビジネスなど、様々な分野で大きな変化が起きています。
これまで当たり前だったことが通用しなくなってきています。
このように物事の枠組みが大きく変わることを”パラダイムシフト”といいます。
パラダイムシフトは、好む好まざるに関わらず、新しい波となって時代を翻弄するのです。
今回は、このパラダイムシフトを解説すると共に、わたしたち個人がパラダイムシフトにどう対応していったら良いのかを考えていきます。
目次
パラダイムシフトを起こす要因と例
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パラダイムシフトとは何か?
そして、パラダイムシフトを起こす要因(きっかけ)とその例を解説します。
パラダイムシフトとは
【パラダイムシフト】 物事の大きな枠組みや考え方が変わること。 従来の常識が通用しないような大きな変化のこと。 社会規範や価値観までが大きく変化する。その変化は劇的であり革命的。
パラダイムは、もともと「範例」や「規範」を意味する言葉で、科学の世界で研究の前提のことを意味していたようです。
そこから言葉の意味を拡大させて広く使われるようになり、現在では「ある時代において特徴的な思想や価値観」といった意味合いで使われています。
時代時代に根付いた「モノの見方・考え方・捉え方・常識」というような意味です。
そのパラダイムがシフトする(変わる、移る)のがパラダイムシフトです。
今では「これまでの価値観が変わる」「常識や定説が覆る」「斬新かつ革新的なアイデアで世界が変化する」といった文脈で使われています。
パラダイムシフトのきっかけと日常の変化
パラダイムシフトは何がきっかけで起こるのでしょうか?
パラダイムシフトによって、日常はどう変わるのでしょうか?
ここでは具体例を見ながら解説していきます。
3つのきっかけをあげます。
- 新型コロナウイルスの蔓延
- スマホの普及
- 価値観の変化
ひとつひとつ解説します。
新型コロナウイルスの蔓延
新型コロナウイルスは、これまでの常識や日常を根底から覆してしまいました。
わたし達の生活や働き方、生き方までも変えてしまうほどの強いインパクトをもたらしました。
コミュニケーションは、オンラインが基本となり、仕事もテレワークが急拡大、生活は制限され、遊びや余暇を含めて巣ごもりスタイル…都心から田舎へ移住する人も出てきました。
まさに「ニューノーマル=新常態」という世界を一気に作り上げてしまったのです。
スマホの普及
スマホの登場は、電話の概念を劇的に変化させました。
インターネットへの接続、様々なアプリを使って自分仕様にできる拡張性、ゲームや動画にSNS…自分の好きな時に好きな場所で好きなだけ使うことができる。
まさに「いつでもどこでも」の世界をスマホの普及が実現してしまったのです。
つながるだけでなくスマホ決済というキャッシュレスの環境も作り上げ、その衝撃は5Gの実用化と共にさらに広がっていきそうです。
価値観の変化
価値観の変化もまた大きなパラダイムシフトを起こします。
- 所有から共有へ=シェアリングエコノミーの拡大
- モノ消費からコト消費へ=物を買う消費から出来事を楽しむ消費への変化
- 経済成長から持続可能な社会へ=サスティナビリティ(持続可能性)への移行
各種レンタルサービスやカーシェアリング、ホームシェアや家事代行などのシェアリングエコノミーサービスはもう当たり前になってきています。
モノ余りの時代、モノを所有することではなく体験や経験といったイベントに価値を見出しお金を使う傾向も高まっています。
また、経済成長の陰にある環境破壊や貧困の問題を前にすると、持続可能な社会への移行は当然のことでしょう。
このように価値観の変化は、わたし達の働き方や生活スタイル、生き方に大きな変化をもたらすことになるのです。
パラダイムシフトが個人に与える影響
パラダイムシフトは、わたし達にどんな影響を与えるのでしょうか?
パラダイムシフトとは、劇的かつ革命的な変化のことです。
その影響は計り知れません。
しかし、その影響をひと言で示すと「変化」です。
「変化」こそパラダイムシフトが個人に与える最も大きな影響でしょう。
わたし達は、パラダイムシフトによって変化を迫られるのです。
変化をどう受け止めるのか?変化はストレスを伴います。
変化に合わせて「変わる」「変わらない」「分からない」…様々な意見があると思います。
わたしはここでダーウィンの有名な言葉をお伝えしたいと思います。
最も強い者が生き残るのではなく最も賢い者が生き延びるでもない。
ダーウィン(1859).種の起源 光文社古典新訳文庫
唯一生き残るのは変化できる者である。
変化についての名言です。
ダーウィンの言葉をどう受け止めますか?
「変わる」「変わらない」「分からない」…答えはひとつのように思います。
パラダイムシフトにどう対応するのか?
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パラダイムシフトという劇的かつ革命的な変化にどう対応していくのか?
ここでしっかり解説します。
変化とストレスとリスク
先にも述べた通り、変化にはストレスを伴います。
そして、変わることにはリスクもあります。
人は安定を求め、できれば変わりたくないものです。
しかし、安定が「安心」につながるかといえば決してそうではありません。
なぜなら、変わらないこともリスクだからです。
それどころか、これからの時代は変わらないことこそがリスクになります。
理由は、パラダイムシフトが起こす日常の変化を見ても明らかです。
変化に対して変わらずにじっとしているのか?
それが安定なのか?
そして安心につながるのか?
決してそうではないでしょう。
変化に対して主体的かつ能動的に対応してこそリスクを回避できるのです。
変化に伴うストレスより、そのままじっとしているストレスの方が遥かに大きい…わたしはそう思います。
しかもそのストレスは時代が進むほどに大きくなるのです。
では、変化にどう対応していくのかを次に解説します。
変化への対応方法
パラダイムシフトに限らず、「変化」という状況を前にしたときに大切なことは変化から「逃げない」ことです。
そして、「自分の軸」を明確にしていく必要があります。
「自分の軸」とは何か?…それは「自分自身」のことです。
あなたは、自分自身を分かっていますか?
自分の長所や短所、能力や価値観、強み弱みを理解していますか?
そんな自分自身を深く知ることが「自分の軸」を明確にすることなのです。
「自分の軸」が明確になっていれば、変化に対して「軸」はブレずに柔軟に対応することができます。
では、どうすれば自分自身を深く知ることができるのか?
自分自身を深く知るには、自己分析が有効です。
自己分析については『自己分析のツール「ジョブカード」、制度を利用し自分自身を理解する方法』に詳しく書いています。
ぜひ参考にして下さい。
自分の中にパラダイムシフトを起こす
変化への対応で注意していただきたいのが、変わらなければならない部分、そして変わってはいけない部分があることです。
全部変わってはいけません。
どこをどう変えていくのか?
ここでも大切なのが「自分の軸」なのです。
「自分の軸」をしっかりと見定めた上で、考え方(思考)を変えていく。自分の中にある凝り固まった常識や思い込み、先入観を変えていくのです。
自分の中にパラダイムシフトを起こす…考え方(思考)のパラダイムシフトです。
では、どうやって自分の中にパラダイムシフトを起こすのか?
それは、学び続けることです…刺激を受け続け、そして変化に敏感なアンテナを立て続けることが有効です。
自分の軸を明確にし、変化に対して敏感な体質になることが自分の中にパラダイムシフトを起こす近道である…そう考えます。
まとめ
今回は、パラダイムシフトについて解説してきました。
パラダイムシフトは、形や状況を変えて次から次に起こるでしょう。
過渡期には特に起きやすい…逆に言うと、だからこそ過渡期なのでしょう。
パラダイムシフトは劇的かつ革命的な変化です。
しかし、わたし達は主体的かつ能動的に変化に対応することでパラダイムシフトを乗り越えることができるはずです。
それは今回の記事で示した通りです。
変化に対して目を背けず、ストレスに負けず、リスクを恐れない…。
そんな意識でパラダイムシフトに対応していきたいものです。